セブンスドラゴン始めました

セブンスドラゴン(特典なし)

セブンスドラゴン(特典なし)


久々にゲームネタ。DSのセブンスドラゴンを購入。世界樹の迷宮と同じプロデューサー、と言えば解る人には解るかな、と。簡単に言えばウィザードリィの様なキャラメイキング重視のRPGです。
どうやらオタがこういうゲームをやる際には脳内妄想垂れ流しでキャラ設定を考えてキャラメイキング&育成を行わなければならない、という不文律が有るようなので(苦笑)、川上信者としては都市シリーズネタで行きたいと思います。
進行度としてはプレイ時間5時間、長いプロローグが終わって少しレベル上げ等をした後。都合2パーティ(4人×2)作ってみました。
ギルド名:反独隊
第一パーティ

  • ヘイゼル(プリンセス)


機甲都市伯林よりヘイゼル・ミリルドルフ。一応リーダー。プリンセスはバード(吟遊詩人)+鞭使いな職業なのですが、バード的な方向で育成予定。リーダーだけど歌ってサポート。回復もこなしてみたり。・・・あんまりキャラと合ってない?(苦笑)まあ、そこは脳内妄想でカバーということで。

  • ベレッタ(ナイト)

閉鎖都市巴里よりベレッタ・マクワイルド。ナイト=騎士=重騎士と言う事でベレッタにしてみたり。ナイトは職業的には完全に壁役ですがベレッタなので守りません。殴ります。ヘイゼルのサポートでベレッタが殴る、というのも若干微妙ですが(苦笑)。

  • アキラ(メイジ)

風水街都香港より李良月。メイジは要するに黒魔法使い。「周囲50万詞階の遺伝詞達、聞こえる?私の遺伝詞が!」とか言いながらぶっ放す感じで。属性はなんとなく火と無。全体魔法のコストパフォーマンスが非常に良い(消費MP3)ので雑魚敵を散らしまくってます。

  • ベルガー(ファイター)

機甲都市伯林よりダウゲ・ベルガー。ファイターは所謂戦士ですな。ヘイゼルとコンビにする筈が「ベルガーはナイトっぽくない」という理由でファイターに。剣使いですが、具体的なスキルの育成方針はまだ未定。
取りあえず第一パーティはこんな感じ。現在15レベル前後。パーティ方針としてはヘイゼル(プリンセス)のプリンセスオーダーでターゲッティングしてベレッタ(ナイト)が殴る+アキラ(メイジ)の魔法にベルガー(ファイター)がエレメントフォロアで追撃、という2軸で行こうかな、と。

感想:グレッグ・イーガン「TAP」

評価:7/10点

TAP (奇想コレクション)

TAP (奇想コレクション)


グレッグ・イーガン続きですが、最新の短編集「TAP」読了。相変わらず短編それぞれのクオリティが非常に高いですね。「現役最高のSF作家」と呼ばれるだけはあります。「TAP」以外の短編集を一通り読んだ感想としては、イーガン作品は長編よりも短編の方がとっつきやすくて単純に面白いなあ、と。「宇宙消失」は初期の作品と言う事もあって情報密度がそれほどでもないぶん*1読みやすかったけれども、「万物理論」を絶賛放置中の身としては長編のとっつきにくさは正直ちとつらいものが・・・。それに較べると短編は、要素は長編並みに詰め込まれていても筋はすっきりしているので読みやすく、かつ充実度が高い作品が多いように思います。
ただ、今作「TAP」はレーベル(奇想コレクション)の都合上、(狭義の)SF作品が少ないため、ガチガチのハードSFを期待して読むと少々肩すかしを食います。他の短編集と較べると毛色の違う作品も多いのでイーガン初心者が初めて読むものとしてはちょっと微妙かな、と。逆に言えばイーガン作品のイメージを良い意味で裏切る作品が多く、イーガン作品既読者が2作目以降として読むにはかなり良い短編集だと思います。
以下各短編毎に感想。ネタバレは避けていますが粗筋には触れていますので注意。

  • 「新・口笛テスト」評価:7/10点

「何故かフレーズが脳にこびりつく音楽」という発想から話は星新一風に展開。筋のベタさと裏腹な理屈付けの異常な充実っぷりは流石としか。短編集の頭に選んだのも頷ける所。

  • 「視覚」評価:7/10点

事故をきっかけに「自分の視点が頭上に移ってしまった」男の話。ある意味究極のメタ視点。

  • 「ユージーン」評価:6/10点

遺伝子治療による「究極の天才児」を作る話。最後の跳躍の無茶さとその跳躍のベクトルは長編作品に通じるものが。微妙に本筋から外れて宝くじを痛烈にDisってるのがまたイーガンらしいな、と。

  • 「悪魔の移住」評価:6/10点

『悪魔』の饒舌な一人称語りがイーガン作品としては非常に異色。

  • 「散骨」評価:6/10点

殺人事件等のメディア報道に対するストレートな批判を感じる作品。殺人鬼・メディア・大衆の奇妙な共犯関係。誰もが当事者からは逃れられないが、決して中心に立つ事が出来ない矛盾。

  • 「銀炎」評価:9/10点

嫌な話その1(褒め言葉)。すがすがしいまでの痛烈な宗教・疑似科学批判。この人は「癌の(効果がなくて金だけ無駄に掛かる)代替療法」とか、「処女をレイプするとエイズが治る」とか、そういう価値観が死ぬほど嫌いなんだろうなあ。疑似科学批判批判者はこれ読んだらちょっと認識が変わるんじゃないだろうか。疑似科学とは結局根拠のない「信念」でしかなく、それは当人どころか周囲を巻き込んで人を不幸にする(場合が多い)、ってのが良く分かると思う。

  • 「自警団」評価:7/10点

嫌な話その2(褒め言葉)。町の自警団のアウトソーシング先がクトゥルー系の化け物、って時点でろくな話にはならないわなあ(苦笑)。町の治安はなによりも(それこそ人命よりも)優先する、ってのは映画「ホット・ファズ」に通じる物が。

  • 「要塞」評価:7/10点

ゲーテッドコミュニティ ミーツ 遺伝子学。オーストラリアの差別意識や移民問題等の社会問題も透けて見える。

  • 「森の奥」評価:7/10点

脳を物理的に(インプラント・ナノマシンで)操作する事による意識・自我の変容の強要。短編なので思考実験度高め。

  • 「TAP」評価:8/10点

「言語を拡張し、今ある現実(五感)を完全に描写する『TAP言語』」と「脳内に疑似現実を展開する『VR(拡張現実)』」。根幹となるアイデアもさることながら、ストーリーもきっちり展開する良作。


以上10編。とりあえず買って損は無い短編集だと思います。相変わらず奇想コレクションはヒット率高いですな。しかし、短編集の感想を書くのはなかなか難しいですね(汗)。これを書くのに2〜3時間掛かってしまいました(苦笑)。ちょっと書き方考えないと効率悪いなあ。

*1:それでも並の作家の3倍増しくらいはありましたが(苦笑)。

感想:宇宙消失

評価:8/10点

宇宙消失 (創元SF文庫)

宇宙消失 (創元SF文庫)


珍しく休日にほとんどなにも用事が無かったのでグレッグ・イーガンの「宇宙消失」を購入→4時間で読了。
現在同著者の「万物理論」を絶賛途中放棄中(苦笑)なのですが、こちらは一気に読めました。短編集で若干の耐性が出来ていたのと、「シュレディンガーの猫」を始めとする量子力学に若干の(SF的な意味での)前提知識があったからでしょうか。
「2034年、地球の周辺が<バブル>と呼ばれる謎の物体によって取り囲まれ、一切の星が見えなくなってから30年余りが経った世界」という世界設定からして大ネタなハードSFですが、ありとあらゆる領域でSF的なガジェットが盛りだくさんとなっています。
巻末の訳者あとがきの通り、本作は大きく分けて

  • ナノマシン、遺伝子工学、脳医学の発達を主とする数々のガジェット群
  • <バブル>によって閉鎖された地球
  • 量子力学を基礎とする多世界解釈

の3本の柱によって構築されていますが、そのどれもがそれ単体で十分長編を書ける程緻密に構築され、かつ、その3つが見事に繋がっていきます。
そして3本の柱によって導き出されるのは、イーガン作品共通のテーマでもある、「自己とはなにか。自由意志とはなにか。」
脳内のナノマシンによって脳内物質を制御し、感情を制御し、自発的な忠誠心を植え付け、そして「脳内嫁」まで作れるとしたら、では私を私として認識している「自己」とは何なのか?
今いる自分が無限にある可能性の一つの結果に過ぎないのだとしたら、では今ここに居る私に「自由意志」というものはあるのか?


未来技術に対する想像力と、アイデンティティに対する思考、両者が非常にハイレベルな形で両立した、傑作と呼ぶに値する作品だと思います。
また、小ネタとして「オーウェル的思考」「二重思考」といった言葉が出て来たのには思わずにやりとしてしまいました(笑)。2067年のオーストラリアにジョージ・オーウェルの「1984年」を知っている人間がどれだけ居るんだよ、なんて思いましたが(苦笑)。
今のSFX技術で映画化したら非常に面白そうですが、宗教批判の要素が強すぎてちょっと難しいかも知れませんね・・・。でも観てみたいなあ。

感想:ベンジャミン・バトン 数奇な人生

評価:8/10点
http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/
「ベンジャミン・バトン数奇な人生」を鑑賞。アカデミー賞最有力候補でしたが、見事に落選してしまい非常に残念。でも良い映画だったと思います。
「80歳の姿で生まれ、若返りながら歳を重ね、新生児の姿で死ぬ男」というSFのような、ファンタジーのような設定を元に、ベンジャミン・バトンと、それに関わる様々な人々の人生を描いています。
2時間47分と非常に長尺な映画でしたが、間延びすることなく、楽しむ事が出来ました。
「歳を取る程若返る」ベンジャミンの特異な生と対比するのは、絶対的で普遍的な死。特異な容貌で生まれたが故に、ベンジャミンは養老院で育ち、老人達の「お別れ」を見ていきます。そして養老院を出た後も、様々な人々の死と様々な人生に触れながら、出会いと別れを繰り返しながら、成長していきます。
養老院での老衰。戦場での戦死。多くのありふれた、普遍的な死と別れから浮き上がるのは代替不可能な生。「会うたびに雷に当たった話をする」とか、「船乗りなのに自称芸術家」とか、そんな言葉で表現しようとすればなんでもないようなエピソードの積み重ねが、その人を形作り、かけがえのない、一言で言い表せない存在となる。そんな事を思いました。
奇抜な設定の割に核となる大きなエピソードもなく、プロットからの駆動力が低い代わりに、非常に演出が巧い映画です。だからこそ長尺な映画でもダレる事なく楽しめるのかな、と。細かいエピソードを丁寧に積み重ねたからこそ、最後のシーンが活きる。基本的な表現の手法ですが、きっちと決めるのは非常に難しい。非常にしっかりとした王道な映画でした。

川上信者による感想:「アクセル・ワールド1」

評価:6/10点

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)


電撃文庫の大賞受賞作、川原礫著「アクセル・ワールド」1巻読了。
既にウェブ上で評価を得ている方のようで、文章力は標準的なライトノベルの水準を上回っているように思います。デビュー作を読む際に感じがちな文章上の違和感をほとんど感じる事なく、一気に読む事が出来ました。
「いじめられっ子が異能力を手に入れて状況を打開」+「ボーイミーツガール」というプロットは非常にベタなのですが、寧ろ最近はポスト・ポストモダン的というか、ぐるりと一周回って近代に回帰したような作品が流行りなのを考えれば、そういう物かなあ、なんて思ったり。
惜しむらくは設定活用の浅さ。これはまあ、川上信者な自分だけかも知れませんが。せっかく「限りなくリアルな仮想空間でロボット格闘ゲーム」という応用が最大限利く舞台設定なのだから、インパクトのある「奇想」を展開して欲しかったところ。ジョジョに始まり、ブギーポップ、ワンピース、etcetc...と近年能力バトル物が百花繚乱な中で同じ土俵に殴り込むのは無謀かも知れませんが、そこは敢えて挑戦して欲しかったなあ、と。
とりあえず、せっかく「近接直接攻撃」「遠距離直接攻撃」「間接攻撃」の3すくみを設定しておきながら出てくるキャラ全員が近間で殴り合う、ってのはどうなのよ、と(苦笑)。その辺りのバトル物としての拡がりは次巻以降に期待、という事で良いのでしょうか・・・。
そういう意味で、川上稔氏の誰が得するか解らない(苦笑)解説兼短編小説は非常に示唆的。「世界観」ががらりと変わるならば、その世界に立脚する「日常」もまたそれに併せた形で色々とと変わらないとおかしいよなあ、と。「矛盾都市TOKYO」なんか特にそうですが、川上氏の作品はその偏執的に重厚な設定構築もさることながら、その上に拡がる日常の描写も案外きちんと描いてるんですよね。


てな感じであんまり褒めてませんが(苦笑)、総合的にはそれなりに「読める」佳作だと思います。シリーズとしての評価は次巻以降を見てから、と言ったところ。
後はもう少し対象年齢高めな感じの作品も読んでみたいかな、と。次作予定の作品紹介(別シリーズ)を読むともうちょっとハードっぽいのでそれに期待。二十歳過ぎたおっさんにはスクールカーストとか若干食傷気味なので・・・(苦笑)。

WALL・E/ウォーリー

評価:8/10点

年明け一発目の鑑賞映画。非常に良作な映画でした。
所謂ロボット同士のボーイ・ミーツ・ガールと言う事でプロット自体はベタですが、演出の巧さが際だっています。
CGの表現力が格段に上がっていて、荒廃した地球を表現するCGの情報量の多さは正に圧巻の一言。
CG表現の対比、と言う事で言えば荒廃した地球とそこで暮らすウォーリーは非常に精細に表現されているのに対し、宇宙船やそこに住む人間達はのっぺりとしたCGで表現されている、と言う事でリアルとアンリアルの対立構造、というのも表現されているのかな、と。
様々な過去のSF作品のパロディがちりばめられていたり、ウォーリーの太陽光による充電が完了するとマッキントッシュの起動音が流れる、といった細かな演出は流石。ベタなプロットと細かな演出の併せ技で間口は広く、奥行きは深くする事に成功しています。
公開から大分経っていますが、大人も子供も楽しめる、良作に仕上がっています。お勧め。


蛇足ですがミステリ作家の殊能将之氏の感想を以下引用(ネタバレ注意)。

「ウォーリー」ってディストピア映画なのかね?
 巨大ショッピングモールのなかでカウチポテトしながら一生暮らせるなら、楽でいいじゃないの。
 わたしは「こういう安楽な生活をしてるやつにかぎって『人間は大地と触れあわなければならない!』とか言いだすんだよな、できもしないくせに」と思ったよ。少なくとも要塞みたいな社屋にこもり、CGつくって儲けてる連中に言われたくないよ。

 荒廃した地球を緑の楽園に開拓するためには、途中でアキシオム号の乗客は半分くらい死んじゃうと思うよ。
 あ、そうか。開拓はロボットがやってくれるわけだ。人間は最初ちょこっと鍬を入れるだけであとは寝て暮らし、ロボットが育てた作物を手にして「農業はすばらしい!」と言うわけね。それ、カウチポテトとどこがちがうんだよ。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/mercysnow/LinkDiary/index.html

おそらくものすごい数の人間がこの騒動の裏で死んでると思うのですが(多分地球に帰還する前の段階で既にイブのビームや圧死で相当数の人間が死んでるのでは)、人間をのっぺりとしたCGで描く事でその辺りを綺麗に隠蔽したのかな、なんて思いました。リアルなウォーリーの部品はガタガタに壊れていくけど、CG然とした人間が死んだりけがしたりするシーンはない、と。それが確信犯なのか天然なのかは微妙な所ですが。

感想:地球が静止する日

評価:3/10点
年末に鑑賞・・・実は公開初日に観てましたが大分感想を書くのが遅くなりました(苦笑)。
一言で言うととても残念な出来でした。宣伝の大プッシュを見るにどんな大作映画かと思ったら、非常にCG部分が微妙。金掛けてない感じがありあり。なので「大作映画」を全面に押し出した宣伝との落差がだいぶ謎な映画でした。予告編でほぼ主要なCGを出し切ってるのが何ともアレな感じ。
まあ、「キアヌさん大冒険」映画としてはまあまあなんじゃないでしょうか(苦笑)。彼らしい演技で微妙に楽しめます。制作費はやっぱりキアヌさんの出演料で使い果たしてしまったのかしら。
一大スペクタクル映画としては非常にアレな出来なので、そういうのを期待して観ると相当辛いと思います。非常に残念。


以下微妙にネタバレなので続きを読むで。

しかし、「ナノマシンによって世界が崩壊していく」というネタの演出としてはターンAガンダムの方が断然上というのが何ともかんとも。直接驚異を描くシーンが実質的に予告編の「トラックが後ろから削れていく」シーンと「スタジアムが崩壊して砂と化す」シーンだけじゃなあ。
ラストのクライマックスで主人公ご一行様が「橋の下に隠れる」事でナノマシンをやり過ごすシーンは思わず失笑してしまいました。なんでスタジアム1個を数秒で砂に出来るのに主人公達が隠れた橋は全く壊れないんだよ!、と(苦笑)。