ミソジニーなんか糞食らえ!感想:デス・プルーフ in グラインドハウス

評価:7/10点
DVDで鑑賞。粗筋はこんな感じ(goo映画より引用)

テキサスの田舎町。人気DJのジャングル・ジュリアは女友達と共にお気に入りのバーにくり出した。しかし、そこに不気味なシボレーを乗り回す男、スタントマン・マイクがやってくる。ジュリアたちはバーで会話をするうちに、彼への警戒心を緩めていくが…。その14ヶ月後、テネシーのとある町。映画撮影に携わっているキム、ゾーイたちは撮影の合間をぬって車の試乗をすることに。しかしそんな彼女たちにマイクが目をつけ…。

所謂B級カーチェイス映画のオマージュ映画。最近思想の入った難解な映画ばっかり観ていたので素直に楽しめました。特に後半のカーチェイスアクションは本当に凄い。主人公を演じるゾーイ・ベルキル・ビルユマ・サーマンのスタントを演じており、その身体能力を存分に生かしたカーアクションは正に必見です。当然ピアノ線などの(観客に見えない形での)安全策は取っているのでしょうが、それを全く感じさせないスピード感と緊張感を楽しめます。
ストーリー的には何の捻りも思想性もないのですが(苦笑)、それ故に直球勝負な監督のB級映画に対する愛を感じます*1
また、前半と中盤に女性(ギャル)グループの意味のないダラダラしたダベりのシーンが延々と続いて、それがまた本当に意味がないのですが(苦笑)、女性同士の会話としては下ネタとか含めて妙にリアルなんですよね。B級映画がコンセプトなのに無駄な陵辱シーンが無い点や*2、オヤジをギャル集団がぶちのめすプロットを含めて、タランティーノ監督の脚本から女性に対する優しい視点が垣間見えた気がします。女性に対して助平な気持ちはあっても、女性蔑視やミソジニー女性嫌悪)は無いのだな、と。
本来2本立ての映画を1本にしただけ有って非常に前半はタルいですが、後半のカタルシスは相当なものなので差し引きで充分プラスでした。出来れば2本立ての本来の形で観たかったなぁ・・・*3


*1:作中で執拗に言及される古い映画の数々とか。

*2:カメラは尻ばっかり撮ってるのですが(苦笑)。

*3:↑の特装版DVDを買えば観られるのですが、正直そんなお金は無い、と(苦笑)。