死刑判決雑感

あまりこういう旬の話題に言及するのはリスクが高いので普段は自重しているのだけれど。


18歳への死刑適用が妥当だと思う人は、成人年齢や選挙権を18歳からに引き下げる事にも賛成するのだろうか。
どうやら下記の毎日の記事によると世論の6割は「精神的に未熟だから」18歳成人に反対らしいけれども。
http://mainichi.jp/select/today/news/20080303k0000m040024000c.html
未成年や精神障碍者の刑事上の限定責任能力に否定的な人は、未成年の民法上の法律行為の制限*1や、成年後見人制度をも果たして否定するのだろうか。
社会的に一人前の権利が認められていない存在に対して、十全の責任を負わせる事は、果たして妥当なのだろうか。


それから話はずれるけれども、「殺人犯は1人でも殺したら極刑にするべき」と言う人は自分が何を言ってるか解っているのだろうか。
何故「殺人罪」と「傷害致死罪」が別の罪なのか、何故「殺人罪」より「強盗致死罪」の方が重いのか、解っているのだろうか。
例えば極論、「高瀬舟」のような自殺幇助のような形で人を殺しても果たして極刑を望むのだろうか。
例えば下記の産経の記事(アンケート)。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080421/trl0804211945019-n1.htm
「求刑20年の罪」に対して最多回答の40%が「無期又は死刑」を望む。
もしこのアンケート結果が「民意」というものを反映しているとするならば、見事な「民意」であると、思う。


結局、「法の精神」というものは「「理解出来ない他者」への恐怖」に対して圧倒的に無力なのだろう。
そんな事を思った二つの事象。

*1:例えば未成年はクレジットカードを作れない