感想:ゴールデンスランバー


評価:6/10点
映画版を鑑賞。ちなみに小説版は未読。
主人公役の堺雅人を始め、俳優陣の演技は非常に良いものがありました。
でもちょっとプロットの出来がよくわからんなあ、と・・・。
例えば殺人鬼の存在は作品中明らかに浮いていて、最初思ったのはB級映画的な要素を入れる為に映画オリジナルで入れたのかな、と思ったらどうやら原作でも居るとのこと。
この辺の「政府組織の陰謀」や「それに何故か絡む殺人鬼」のようなB級映画的なプロットと、青春小説的な人間関係の描写のバランスが微妙に悪くてもやもやする映画でした。
主人公と竹内結子演じる元恋人の関係とか、ベタながら、「なんかわかる気がするなあ」と思わせる演出は良いと思いました。
映像化する事でB級映画っぽさが強調されてしまうのか、そもそも原作小説からしてそういうバランスの悪い作品なのかは原作を読んでみないと解らないですが・・・。
あ、でも他の伊坂作品でもこういう殺人鬼みたいな明らかに浮いているキャラは居たような。他作品では作品全体ではなんとなくしっくりきていたので小説だったらありなのかなあ。
全体的に演技の質の高さもあって普通に満足できる良作なのですが、なんだかもやもやする「変な」作品でした。観て損は無い作品だと思います、とフォロー。