バタフライ・エフェクト


評価:7/10点
昨年公開のこの作品をDVDで鑑賞。前々から観たいと思っていて、実際何度かツタヤで借りていたのですが、時間が無くて観られずレンタル料を無駄にしていました(苦笑)。ジャンルとしてはSFサスペンスといった所でしょうか。
アウトラインはこんな感じ。
幼い頃から度々記憶喪失に悩まされてきた主人公は、ある時日記をトリガーにその記憶喪失の場面に戻れる事を知る。
主人公はそれを利用して過去を変えるが、その度に意図しない形に現在が改変され...。


以下感想。
タイトルのバタフライ・エフェクトとは、カオス理論の事(映画内でも初っ端に言及されています)。ちょっとした過去の行動が未来に大きな影響を与える、というネタは結構メジャーで、例えばバック・トゥ・ザ・フューチャーなんか代表的ですな。そんなSFとしては手垢にまみれたネタですが、非常に使い方が巧かったです。自分がイメージしたのはビジュアルノベルゲーム(かまいたちの夜や、TO HEARTを代表とするギャルゲー等)。選択肢の所でセーブしておいて、色々な場面に戻って選択肢をしらみ潰しに探していく感じ。ポイントは、ゲームと違って誰もが幸せになれる最善の選択肢(トゥルーエンド)が人生にはない、という点ですな。その辺のどうにもならない感じが巧く表現されていました。
それからちょっと気になったのは、幼少期のヒロインが(成人後に較べて)非常に不細工な事(苦笑)。・・・何故?ともあれ、運命が変わる度に境遇が一変するヒロイン、というのが非常に上手く表現されていてびっくりしました。まさに別人、といった感じ。
また、これは映画本編とは無関係といえば無関係ですが、DVDの映像特典で収録されていた別エンディングがまさに最悪(苦笑)。バックに監督の解説を聴けるのですが、「正規はこんな陳腐なエンディングにしなくて良かった」的な事を言っていて、全くその通りだな、と思いました。
全体的に非常に良質なSF映画だな、と思いました。設定もストーリーもオチも平均点以上な良作です。お勧め。