あなたは虚人と星に舞う

評価:6/10点

あなたは虚人と星に舞う (徳間デュアル文庫)

あなたは虚人と星に舞う (徳間デュアル文庫)


上遠野浩平の虚空牙シリーズ3部作の最終巻。
一昨日ブックオフで見つけたのでつい買ってしまいました。
3部作といっても、登場人物も時系列もばらばらなので
どれから読んでもあんまり変わらないかも。
上遠野氏の他のシリーズともリンクしていたりするようですが、
ブギーポップシリーズを読んだのが遠い昔のため
最早忘却の彼方・・・(苦笑)。*1
その辺で楽しめなかったのも微妙に評価が低い遠因でしょうか。


まあ、内容的にはマトリックスを元ネタ(?)にしたSFバトル物です。*2
主人公や脇役のキャラ造詣の巧さは流石ですね。
しかし3部作の最後の割りに世界の謎の解明といった所はほとんど無し。
まぁ、虚空牙の正体とかはこれ以上シリーズが進んでも曖昧なままになりそうですが。
それから相変わらず地の文を読んでいる時の違和感が拭えません。
なんだかこの作者、地の文は3人称視点なのに主観的な描写がぽっと出て来たり、
地の文で主観的な価値判断をするかのような文を書いたりして気持ち悪いんですよね・・・。
これはブギーポップシリーズでも同様。
その辺改善されれば自分の中でかなり評価が高まるのですが・・・。


シリーズ全体としてはSF特有のハッタリをきちんと利かせていて十分に楽しめました。
事件シリーズも余裕があったら読んでみようかなぁ。

*1:まあ何せ読んだのがもう5年以上も前でさらに立ち読みだったため読み返すことも出来ないという体たらく(苦笑)。

*2:身も蓋も無い。