8月読了図書

今月は妙に短編小説が多かったです。

小説

 片山恭一著「世界の中心で、愛をさけぶ」2/10点
感想既述。

 西澤保彦著「死者は黄泉が得る」5/10点
著者得意のSFミステリ。
あらすじは、
死者を甦らせる装置のある謎の館。そこには生ける屍と化した女性達が、生前の記憶を一切失ったまま、仲間を増やしながら生活していた。
・・・という話。
死者のパートと、過去の生前のパートが交互に進行していきます。
本当に最後の最後でどんでん返しがあるのですが、
あんまり成功していないような・・・。
なのでこの評価。

 西澤保彦著「人形幻戯」7/10点
SFミステリ・チョーモンインシリーズの短編集。
様々な超能力を使った犯罪に対し、
論理的な解決を導いていくこのシリーズは、短編に向いているように思います。
また、出てくる超能力が妙にしょぼいのもまた面白かったり。

 高田崇史著「QED ~ventus~ 熊野の残照」6/10点
歴史探訪ミステリシリーズ。
今回のテーマである熊野に対する事前知識がほとんど全くなかったため、
正直よく分かりませんでした。
さらになんと今回は全く事件が起こらず。
いいのかそれで。

 高田崇史著「パズル自由自在」7/10点
短編集。
ひたすらにパズル。
毎回主人公の従兄弟の千波君が様々なパズルを出題するうえ、
起こる事件までまんまパズル。
3回に一回本当の事を言うおじいさんとか、ありえないシチュエーションがぽんぽん出て来ます。

 森岡浩之著「星界の断章」8/10点
星界シリーズ初の短編集。
まじめな短編とおばかな短編が交互に挟まれています。
2ch語→アーヴ語→日本語と翻訳したらどんなことになるか、等、
お笑い短編の方は非常に笑わせてもらいました。
 
 森岡浩之著「夢の樹が接げたなら」8/10点
星界シリーズの作者のデビュー作を含む第一短編集。
これ、ブックオフで100円だったのですが、かなりのお買い得でした。
SF作家の想像力には感服します。

 森博嗣著「朽ちる・散る・落ちる」6/10点
Vシリーズも 9作目、次で完結です。
もはやこの人の作品はミステリーではなく、森ミステリィなのだ、という思いを改めて強くしました。
トリックとか、犯人当てとかをする気に全くならない。
キャラクタやら、軽妙な会話やらを楽しむのが正しい読み方なのでしょう。