5月読了図書

小説
 貴志 祐介著:「青の炎」7/10点
最後の結末がなぁ・・・。
中盤は中々でした。
主人公が若干短絡的なのは若さ故の過ちか・・・。

 宮部みゆき著:「ステップファザー・ステップ」5/10点
所謂連作短編集でしょうか。
宮部みゆきはキャラクタ造形が上手いですね。
ただその分ミステリの技術的な部分は弱い気がします。
その辺世間で評価の高い長編ではどうなのか。

 麻耶雄嵩著:「翼ある闇—メルカトル鮎最後の事件」7/10点
一言で言うと、バカミス(笑)。
どこがバカミスか書こうとするとどうしてもネタバレしてしまうので改めて書きます。

 森博嗣著:「θ(シータ)は遊んでくれたよ」6/10点
もはや惰性で買ってる森ミステリの新シリーズ第2作。
他シリーズとの関わりが微妙に示唆されていたり、見所はあるのですが、
いかんせんミステリ部分にやる気が感じられない・・・。
ノンシリーズの方が良い感じがするなぁ。

 西尾維新クビシメロマンチスト」(再読)8/10点
現時点での西尾維新の(俺の中での)最高傑作。
作者と主人公が立命館大学生で舞台が京都、ということでごっつあんに1作目と共に貸しました。
貸す前に新幹線の中で再読しましたが、きっつい作品ですな。
思えば萌えキャラ殺しの系譜はここから始まったわけです。
(著者の作品の中では)ミステリ性の高い作品です。
そういう意味でもお勧め。
この作品以降は最早ミステリとしては読めません(苦笑)。

一般書
 斎藤環著:「『負けた』教の信者たち−ニート・引きこもり社会論」7/10点
精神科医で引きこもり研究家でサブカル批評もやったりする著者が中央公論で連載していた物をまとめたもの。
テーマは「メディア」「引きこもり」「ネット」「虐待」「司法」「ニート」
と多岐に渡ります。
本書によると現在、引きこもりは少なくとも41万世帯、ニートは110万人、フリーターは420万人に上るとか。
その中で著者は一連の「負け犬」ブームなど勝ち組・負け組で人を分ける風潮と、
その中で負け組のレッテルを自らに貼る若者のあり方を論じていきます。
香山リカ著の「就職がこわい」もそんな若者の意識の延長線上に問題意識があるのかな、と。