6月読了図書
小説
西澤保彦著「実況中死」6/10点
超能力の存在を前提としたミステリ、チョーモンインシリーズの長編。
「他人の見ている情景をそのまま見えてしまう」という超能力を得たばかりに、
殺人やストーカー行為を体験してしまう女性の話。
その女性は誰の情景を見ているのか、そして殺人犯は誰か、がメイントリック。
相変わらず後半の二転三転っぷりは見事。
見事過ぎて訳が分からなくなりますが(苦笑)。
西澤保彦著「夢幻巡礼」7/10点
前述のチョーモンインシリーズの番外長編。
主人公は母親に溺愛されたあげく殺され掛かってトラウマになり、
性的不能になってその代償行為として殺人を犯すシリアルキラー。
もうこれでもか、という感じで人が死にまくります。
主人公自身「歯を磨くように」人を殺してます。
テーマは母子癒着。
母親の歪んだ愛がどのような結果をもたらすのか?といったところ。
筒井康隆著「わたしのグランパ」7/10点
筒井康隆はやっぱり巧いですね。
もっと読まないと。
麻耶雄嵩著「名探偵木更津悠也」6/10点
表題の探偵の短編集。
ワトソン役による探偵萌え小説。
もうすこしはっちゃけると面白いのに・・・。
麻耶雄嵩著「木製の王子」8/10点
シリーズ物。
メイントリックは分刻みのアリバイトリックをどう崩すか?
(時刻表トリックなんて目じゃないくらい複雑)
ですがそんなことはどうでも良い感じ。
こういうのを「衝撃のラスト!」というのではないかと。
殊能将之著「キマイラの新しい城」6/10点
750年前に死んだ仏国の領主が現代の社長に取り憑き、
自身の殺人事件の解決を依頼する、という話。
一言で言うとバカミス(褒め言葉)。
本格ミステリに対するシニカルな視点が面白いです。
要は論理的に正しそうならどんなバカ推理でもいいじゃん、てな話。
西尾維新著「ネコソギラジカル 中」6/10点
中編なんでこんなもんでしょ(酷)。
最後に出て来た彼の登場は、まあ、お約束ですね。
川上稔著「終わりのクロニクル 3(上)」7/10点
この作者はかなりお勧めなんですが、ここまでシリーズが続いてしまうと薦めづらいなぁ。
俺自身各巻のストーリーを忘れかけてる(苦笑)。
とにかくキャラの掛け合い漫才が面白いです。
キャラクターをここまで増やして、それでもちゃんとキャラが立っているのは見事。
教養書
なだいなだ著「神、この人間的なもの」7/10点
私はこの著者と同様無神論者なのですが、改めて神について考えさせられました。
要は信仰を持っている人のほとんどは教義なんてどうでも良くて、
心の拠り所としてのシステムとして活用しているに過ぎないんではないか、という話(ほんとか?)。
こう理解すると、逆に米国の宗教右派のような原典主義・原理主義が気持ち悪く見えてきます。
穏健な(一般的な)イスラム教の方がよっぽど進歩的な考えをしてるような気がするんですよね。
何か他にも読んだ気もしますが(汗)、取り敢えずこんな感じで。
まとめて感想を書くとかなり適当になりますね。
やる気になったら改めて書こうかな・・・。