遂に来た!〜感想:境界線上のホライゾン 1上 (1)

評価:7/10点


やっと、ついに、とうとう出ました。川上稔氏の新作です。連射王から数えて実に1年9ヶ月ぶり。なんだかんだで結構待ったなあ。
とりあえず購入初日に一気読みした感想を印象批評的な(=フィーリング)感じで上げておきたいと思います。
以下ネタバレなしでまとまりなく箇条書きで行ってみます。

  • 相変わらずの設定厨歓喜な設定の嵐。前作の終わりのクロニクルと比べても非常に密度が濃くて解りづらい(苦笑)。
  • 舞台はAHEAD(終わりのクロニクル)から遠く離れてGENESIS時代。世界が一度挫折して一回りした後。
  • またもや神州世界対応論。日本列島を世界地図に見立てて、本州=ユーラシア大陸、北海道=新大陸、九州=アフリカ大陸、四国=豪州大陸に対応させる。
  • んで時代は(2度目の)1648年。未だに戦国時代。戦国大名とそれに対応する世界各国が同盟を結んで支配している。関東=武田&清、中国=毛利&仏蘭西、九州=島津&アフリカ、みたいな感じで。
  • 都市シリーズの大阪に似た、学生が政治を支配する世界。
  • 主人公は総長兼生徒会長。でも(今のところ)戦闘能力的に無能でベタにバカ。他の川上作品に対応するキャラがいない感じ。
  • 第1章でクラスメートが一通り(20人超)登場。今回は群像劇ベースか?
  • しかしクラスメートの設定がはっちゃけ過ぎ。姉・巫女・忍者(男)・女騎士・半裸クロスヘルムマッチョ・インド人・腐女子・全裸インキュバス(男)等々・・・ってなんだこのカオスっぷりは(苦笑)。
  • 極めつけはHP3のスライム。いや、意味が分からないとは思いますが、本当なんですよ・・・。
  • ハードな世界設定に比して今作も終わクロ同様ギャグ成分多め。
  • 終わクロ同様、それぞれのキャラは微妙に過去作品のキャラと対応していなくもなさそうな感じ。DTの青江とか。今後のキャラ付け次第?
  • んでヒロインは自動人形。終わクロの美影よりも巴里のロゼッタに近い・・・かな?でも他作品の自動人形とも微妙に違う印象。どういう方向のキャラになっていくのだろうか。
  • しかしキャラが多すぎて最初の団体戦は設定の難解さも相まって非常に読み辛かった(苦笑)。キャラ表と本文を行ったり来たりってのは海外ミステリとか三国志を読むような感覚(苦笑)。
  • 1巻終了時点で既に登場人物が40人超。これで次作以降、敵方の各国からも数人ずつ毎巻出てくるである事を考えると登場人物が軽く100人を越えてしまいそうな悪寒(苦笑)。

それにしても今回の前半の敷居の高さは異常かと(汗)。新シリーズの初っぱなでこの敷居の高さ、ってのは大丈夫なんでしょうか(苦笑)。終わりのクロニクルの1巻冒頭の読みづらさもだいぶ川上稔入門者から酷評を買いましたが、今回はそれ以上な気が・・・。とにかく前半が猛烈に読みづらい今作ですが、中盤以降の今巻のクライマックスまで行ければかなり楽しめるのではないでしょうか。川上初心者はちゃんと巻の最後まで読んでから評価して欲しいなあ・・・。
とりあえず初見の感想はこんな感じで。近日中に(出来れば下巻発売前に)再読して整理した感想をまた書きたいと思います。それにしてもまた来月も川上氏の新作が読める訳ですな。楽しみだなあ(完全に信者的発想)。

9月19日追記:感想第2弾書きました。ハイブリッドジャンルとしての川上作品〜境界線上のホライゾン感想第二回 - さかさまの虹