文化庁メディア芸術祭に行ってきました

http://plaza.bunka.go.jp/festival/2007/outline/exhibition/
水曜日に文化庁メディア芸術祭に行ってきました。2月6日からなので、つまり初日。初日なのでそれなりに混むかな、と思ったのですが流石に平日の午前中、という事で人も少なく、ゆったりと展示を見る事が出来ました。
素人さんが制作されたCG等の展示と、ばりばりの商業作品であるアニメやゲームが渾然一体なったなかなかにカオス感溢れる芸術祭でした。
全体的な感想としては、アニメやゲームなどの商業作品よりも芸術よりの作品の方が先鋭的でオリジナリティに溢れ、面白かったです。おそらくPCの性能向上によりCG技術に対する敷居が下がり、個人の力でも十分に勝負できる、鑑賞に堪えうる作品が多数現れている現状を見る事が出来て非常に感心しました。文化庁主催といえど、権威主義に陥らず、裾野を広げようとする芸術祭としての姿勢は好感が持てます。
以下個別の雑感をつらつらと。

  • Wiiって微妙じゃね?

今回初めて(苦笑)Wiiを触ったですが、なんだか非常に微妙な気がしました。Wii Sportsをちょっとプレイしたのですが、あのリモコンでのプレイが遊び方の可能性を凄く制限している気がしたんですよね。結局リモコンの使い方として振る動作に限定されていて、むしろ今までのスポーツゲームより余程テクニックが限定されてしまうような気がします。あえてたとえるなら、キーボードだけだったPCにマウスが出来た時のような。確かにマウスの動作は直感的で操作の敷居が劇的に下がったわけですが、でも結局入力方法の多用さではキーボードの方が圧倒的に上で、インターフェースの拡張性でマウスとキーボードには越えられない高い壁がある訳です。端的に言えばマウスを使うよりもキーボードショートカットを使う方が圧倒的に速い。
それと同じ状況が既存のコントローラとwiiリモコンの間にもあると思うのです。確かに体を直感的に動かす、と言う点でwiiリモコンは敷居を下げましたが、それによって「出来ない事」もやはり増えたのではないかと。
・・・って、こんな意見はさんざん既出な気がしますが(苦笑)。ものすごく今更感漂う話ですな。

メインシアターで電脳コイルを鑑賞しました。作品自体これが初見だったのですが、ここまで面白い作品だとは思いませんでした。おそらく初見の人にもバックグラウンドが解らなくても十分楽しめるような話をチョイスしたのだと思いますが、初見でも作品の魅力が十分に伝わってきました。担当者の人は流石ですね。リアルタイムで観ておけばよかったな、と。
ただ、惜しむらくはメインシアターの設備がとてもとてもへっぽこな点。せっかくスクリーンの大画面なのに、画質はPCでDVDを再生してそれをスクリーンに映したような低画質だし、音響も全然良くないし、正直がっかりでした。ちゃんとHD画質で映して欲しかったなぁ・・・。これでは家で観るのと変わらないと思いました。

  • もう少し案内があっても良いかな、と

すいてる事もあって、良くわからない作品でも係員の方の丁寧な説明を受ける事が出来たのですが、見ただけでは何をすれば良いのか全く解らない作品も多く、混んでくる事を考えると看板などでの最低限の案内はあっても良かったのではないかと思いました。確かに案内によって観察者の行動が制限される事を望まない場合も多いかと思いますが、「なんだか良くわからない作品」で終わってしまうデメリットの方が大きいかな、と。
実際、「2つの画面の片方に風を送ると、それに反応してもう片方の画面から風が出る」という作品ではどんな作品なのか周囲の人に全然伝わらず、スルーされていました。アート部門の優秀賞にも関わらず。あんまりそこで敷居をあげてもしょうがないんじゃないかと。
あ、一応フォローしておくと、係員の方達の対応と説明は非常に丁寧で好感が持てました。作品を目の前にしてどうすればいいか困っているとすぐに気付いて説明してもらえました。問題は土日で混んだときにどうなるか、ですね。


大体感想としてはこんな感じですが、ゲームなどだけでなく、アートと技術の融合の最先端を手軽に体験出来る良い展示会でした。また来年も行ってみたいな、と。