感想:データはウソをつく

データはウソをつく―科学的な社会調査の方法 (ちくまプリマー新書)

データはウソをつく―科学的な社会調査の方法 (ちくまプリマー新書)


評価:3/10点
谷岡一郎氏の新刊新書を購入。以前読んだ「『社会調査』のウソ」が非常に面白い良著だったので、これも期待して購入したのですが、どうにもイマイチな内容でした。
社会調査〜の方は、様々な駄目なリサーチの具体例を挙げながらどのように駄目なリサーチが濫造されていくかを説明していく、新書ながら非常に内容の濃いものに仕上がっていたのですが、
今回は非常に内容が薄く、駄目な新書の典型例のような内容になっていました。
内容としてはリサーチの具体例の部分はぐっと減り、リサーチ方法入門のような内容となっているのですが、これが非常に内容が薄い(苦笑)。これならちょっと頑張って統計調査の専門書でも読んだほうがよっぽどコストに見合うと思います。
新書の利点として、興味があるけれども勉強する程コストをかけられない内容をさらっと理解できる、というのがあげられると思うのですが、本書の場合なんだか専門書の目次だけ読まされて、項目ごとに著者の愚痴ばっかり書いてある、という非常にがっかり感漂うものに仕上がっています。
前著があれだけコストパフォーマンスの高い内容だっただけに、もうちょっと頑張って欲しかったなぁ、と。こういうのを読むと新書を読むのは時間の無駄なのかなぁ、なんて思ってしまったり。この分野の本をちゃんと単行本で読もうという気にさせてくれたのは良い点だと思いますが(苦笑)。
これを読むくらいなら、前著の「『社会調査』のウソ」を読んだほうが何倍かましだと思います。