GOSICK感想

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)


評価:5/10点
桜庭一樹富士ミスレーベル初登場作を読了。名前からは解りづらいですが女性作家です。以前「ブルースカイ」(感想既述)を読んだときは読了後に初めてそれを知って(汗)妙に納得した覚えが。
以下感想。
ミステリとしては正直微妙。所謂パニック閉鎖環境ものなのですが、主人公とヒロイン以外、事件に関わる登場人物が少なすぎてフーダニット(要するに犯人当て)があまり成立していないのが厳しい。ほぼ完全に消去法。ただ、ホワイダニット(動機当て)の部分はそれなりかな、と。ただ、構成としては現在の描写にプラスして過去の事件の描写が章ごとに挿入される、という形式なのですが、ちょっとその辺の狙い(○○トリック)が空回り気味かな、と。
ライトノベルレーベルだと(おそらく)最初からシリーズ化を前提としている以上、1巻はキャラ立てに徹する分、それ以外の思想性とか、パズル性が薄くなるのが辛いところ。まあ、でも、所謂ボーイミーツガールものの取っ掛かりとしてはそれなりに楽しめました。続刊でどう展開していくかが興味深いところ。良くも悪くもラノベの第1巻、といったところでしょうか。
てことでシリーズものとしての評価は保留。とんがった思想性に期待しながら、もう2冊くらい読んで判断しようかな、と。