パプリカ感想その2/2・・・「イノセンス」と「パプリカ」考
本編自体の感想は別エントリで。こちらはちょっとメタな感想。
この作品、非常に押井監督の「イノセンス」への視線を感じるのは私だけでしょうか。それが悪意なのかパロディなのかは解りませんが。
元々イノセンス(てか攻殻機動隊)も虚構と現実の境目の曖昧さ、がテーマなので意識するのも当然かも知れません。
例えば、
- 全編通じて出てくる悪夢の内容が「人形」
「イノセンス」は何だかんだで「人形萌え」映画です。それは自他共に認める所。押井監督の「人形萌え〜」な感情が全編通じて伝わって来るわけです。そこへ来てこの「パプリカ」は全編通して人形が悪夢の具現化として出て来ます。悪夢の発生源となる人物は押井監督の大好きな市松人形ですし、人形大行進はイノセンスでも北海道の場面で登場してます*1。要するにこれは、「押井さんは人形萌え〜っていてるけど、人形って気持ち悪くない?」という今監督からの(結構ストレートな)メッセージなのではないかと。
- 意味不明な台詞の多用
「イノセンス」の特徴といえば過剰なまでの衒学趣味、古典からの引用台詞ですが、これも今監督は強烈にパロってるとしか俺には思えません。脳みそハッキングされてイカレちゃった人達は、皆全く意味不明の台詞を延々と喋り続けます。それも意味を理解出来ないくらいの高速で。高尚な箴言も、イカレた意味不明な台詞も、相手に意味が伝わらない点では一緒、なんて意図があったりするのかな、と。
そんなことを思ったりしました。雑誌などの事前情報無しに、映画本編だけで思った感想なので当たってるかどうかは全く解りません。見当違いの可能性大(苦笑)。インタビュー等当たってみるかなぁ。
*1:人形ではなくて仮面の行進ですが。