ワールド・トレード・センター

評価:6/10点
さて、久々の映画館での洋画鑑賞です。
あらすじは公式サイト等でご確認いただくとして、一言で言うと、「実話を元にした、WTCビルで生き埋めになった警察官二人の救出劇」といったところ。
以下感想。
まずは映像について。
非常に迫力があり、CGと実写の境界がますます曖昧になってるな、と思いました。直接的な崩壊シーン(WTCに飛行機が突っ込むシーンや、ビルが崩壊するシーン)は直接描写を回避していますが、これは技術的な問題ではなく、演出的な、意図的なものかなと。また、これは自分では気付かなかったのですが、崩壊前のシーンで、不規則に起こる爆発の様な音は、ビルの上から人が降ってくる音だとのこと。この辺の細かなリアリティは、流石だと思いました。
そしてプロットですが、個人的には長すぎるかな、と。だいたい2時間半くらいでしょうか。って、最近の映画はだいたいがこれくらい長い、というのもよく言われますが、別にこの映画は2時間以内に出来た気がします。
長くなった原因は、個人的な印象としてはテーマが拡散してしまった為かな、と。大筋では災害映画共通の「絶望的な状況でも尚生きようとする人間の生命力」「家族の絆」「命を賭けて人(赤の他人)を救おうとする事の崇高さ」あたりがテーマだと思うのですが、そこに「911テロに対する世界の反応」とか、そういういかにも「政治的」なシーンが中途半端に出て来て、それがテーマを曖昧にしてしまったのではないでしょうか。別に政治臭ぷんぷんのアメリカ万歳プロパガンダ映画という訳でもなく、かといって純粋に「災害映画」的に撮るのでもなく、焦点が若干ぼやけた印象を与えてしまったのは痛いところかな、と。
ともあれ、大作洋画としては及第点な面白さだったと思います。