QED ventus 御霊将門
- 作者: 高田崇史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/06
- メディア: 新書
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評価:5/10点
歴史ミステリシリーズの最新刊。今回のテーマは日本三大怨霊の一人、平将門。
以下感想。
今作のメインテーマである「将門は怨霊ではない」という事を登場人物達が寺社・史跡を巡りながら丹念に。論理的に証明していくのですが、この部分は中々の説得力ですね。「伝説や逸話の裏には必ず根拠と解釈がある」と、「歴史の陰には必ず虐げられた人達がいる」というのはこのシリーズの共通項としてベースとなっている様に思います。
ただ、今回妙見信仰とか、「星は不吉なもの」とか、微妙に基礎知識を要求される部分があり、いまいち消化不良となってしまいました。教養が足りないなぁ・・・。調べてみないと。
一方このシリーズ、歴史ミステリ部分と並行して所謂事件が発生し、それも解決していくのですが、今回はその現実の事件の部分が酷い。正直、全くいらないです(苦笑)。それまでも、重要度はかなり低いながらも歴史の謎の解決が事件の謎の解決の糸口になったりして、ちゃんとつながりを意識していたのですが、今回はそれすらほとんど無し・・・。一応、次回作に起こりそうな大きな事件のプロローグっぽい書き方はしてるのですが、それにしてもなぁ・・・。
それからシリーズ全体としては、微妙に設定年代が過去なのも気になるところ。平成一桁代あたり?てかシリーズも進んで主人公達は結構な年になりつつある気がするのですが、適齢期とか大丈夫なんだろうか・・・。全然男女の仲が進展しないし・・・ってそれは読者のほとんどが既に諦めてる気がしますが(苦笑)。
てな訳で事件部分のぐだぐだっぷりで若干減点してこの点数。まあ、この作者は結構筆が速い方だし、次回作に期待かな、と(苦笑)。