重力ピエロ

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)


評価:6/10点
売れっ子作家街道驀進中の伊坂幸太郎の「重力ピエロ」がついに文庫落ち。この作品、異常に世評が高くて、以前から単行本になる前から衝動買いしたくなるのをぐっとこらえて首を長〜くして文庫化されるのを待ち望んでおりました。
んであらすじは省略して感想。
とまあ、ずいぶん期待した割には微妙な点数を付けてしまいました(苦笑)。何でかというと、中盤で落ちが解ってしまったからなんですね。これは非常に珍しい経験でした。普段ミステリを読んでいても、犯人や真相が解るのはほとんどありません。それこそ10冊に1冊もありません。それがしかし、この作品では大体真相が明るみに出る100ページくらい前にからくりが解ってしまったんですな。後はもう予想通り。やっぱり謎は謎として読むから面白いんだなぁ、と改めて思った次第でした。
しかし相変わらずの脈絡のない雑談を随所に挟む伊坂節は小気味良く、非常に雰囲気を楽しめました。
それからこの人の作品は悪人が悪人らしくきっちりと酷い目に遭ってすっきりさせてくれます*1。その辺も結構好きな要因になってますな。
ということで現時点での既読伊坂作品ランキングは

  1. ラッシュライフ
  2. 重力ピエロ
  3. 陽気なギャングが地球を回す
  4. オーデュポンの祈り

といったところ。次に作品が文庫化されるまで楽しみに待っておくとしましょう・・・。

*1:特に性犯罪者に対しては容赦なし