容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身


評価:5/10点
言わずと知れた直木賞受賞作。ちなみにこれを先に読んでからシリーズ1作目の「探偵ガリレオ」を読みました。東野圭吾は初読でしたがなかなかに楽しめました。
作品単体としての感想は、よくまとまってるなぁ、と。一部で新本格論争が起こってるらしいのですが、別に新本格原理主義者でもなく、更にミステリを読み進めながら本気で犯人当てをするような読み方をしないので多少アンフェアでも気にしません。感動ものとして読むと若干緩いかな?とも思いますがミステリとしての完成度はかなり高いので充分楽しめました。
のですが。「探偵ガリレオ」を読んだ後だと若干不満が。別に湯川シリーズである必然性が無いんじゃ・・・。シリーズの看板である物理トリックもなければ、物理学者と数学者の違いが対決によって浮き彫りになったりもしない。別にシリーズ外の単体作品でも問題無かったんじゃないかなぁ。なので評価はその分1点マイナスしてあります。まぁ、物理トリックメインだと直木賞は取れなかったような気もしますなぁ(苦笑)。マニアックな部分を取り除いて賞を取りに来たのかな、と。