感想:夏と冬の奏鳴曲

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)
麻耶 雄嵩

講談社 1998-08
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9/10点
あんまり最近のミステリばっかり読むのも良くないかなと思い、麻耶雄嵩に手を出してみました。
この作者、新本格では第2世代に当たります。
(綾辻らが第1で京極以降が第3。)

本格の意匠として孤島、洋館、首切り死体、雪の密室(雪に足跡がない!というやつ)などなどがちりばめられた作品です。
文体が微妙で前半は正直読むのが辛かった・・・。
しかし後半の展開は驚きの連続。
本を読んでて恐怖を感じるのは久しぶりでした。
この前テレビでやってた呪怨よりよっぽど怖かった(笑)。

そしてラスト。
ミステリ史上に残る大どんでん返しが待っています。
しかし謎は8割がた放置です。
最後の数ページでやっと探偵が登場しますが一言言って終了。
読後感の訳解らなさ、気持ち悪さは史上最高です。
読み終わった瞬間作品検証ページを探してやっと理解しました。

個人的には今まで読んだミステリの中でも五指に入る傑作だと思いますが人にはお勧めしません。
世間の評価もまっぷたつに割れてるようで・・・。

時期的に最悪の時に手を出してしまいました・・・。
こんなの読んだら他の作品も次々読んでみたくなるじゃないかぁ!
もっと時間とお金に余裕がある時に読んでれば・・・。